著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

米サイエンス誌の2024年医療ブレイクスルー…有効性99.9%のHIV薬

公開日: 更新日:

 アメリカの権威ある科学雑誌「サイエンス」が、2024年の科学的ブレイクスルーとしてHIV薬レナカパビルを選び大きな話題を呼んでいます。その最大の理由として示されたのは、99.9%という驚きの有効性です。

 1980年代から90年代にかけて世界中で猛威を振るったエイズは、一時は不治の病として恐れられていました。しかし治療薬の進歩により、適切な治療を受けながら普通の生活が送れるようになっています。

 しかし現在でも、エイズを引き起こすHIVウイルスに感染する人は、世界で毎年100万人を超えています。感染を抑えるワクチンもありません。そんな中、このレナカパビルは、ワクチンに次ぐ効果がある薬として注目されたのです。

 レナカパビルは半年に1度、注射によって投与される薬です。開発した製薬会社ギリアド社が、アフリカに住む若い女性を対象に大規模な有効性試験を行ったところ、この注射によってHIV感染がゼロになったことがわかりました。

 またその後世界で実施された同様の臨床試験は、男性と性交渉を持つ多様な性別の人々を対象に行われましたが、99.9%の有効性が報告されました。もしレナカパビルが曝露前予防薬(PrEP)として使用されれば、世界の感染率を大幅に低下させるだろうと、多くのHIV研究者は期待しています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  4. 4

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  5. 5

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  1. 6

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  2. 7

    大阪万博メディアデー参加で分かった…目立つ未完成パビリオン、職人は「えらいこっちゃ」と大慌て

  3. 8

    容姿優先、女子アナ上納、セクハラ蔓延…フジテレビはメディアではなく、まるでキャバクラ状態だった

  4. 9

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  5. 10

    エンゼルス菊池雄星を悩ませる「大谷の呪い」…地元も母校も同じで現地ファンの期待のしかかる