著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

「眼瞼下垂」は治療すべきか?生活に支障があるかどうかがポイント

公開日: 更新日:

 眼瞼下垂であっても「生活には困らないから、このままでいい」とおっしゃる方ももちろんいます。症状を感じず、ご自分が困っていないなら、それもいいかとは思います。が、もし「何とかしたい」と思われるなら治療(手術)法はいろいろとあります。

 健康保険が適用となることもありますが、それには眼科医が診断して下記のような条件に当てはまる場合となります。

・上まぶたが瞳孔(黒目の中心)のすぐ上まで下がっている。
・まぶたを開くのに力を必要としている。
・視野障害を伴っている。

 最初の「上まぶたが瞳孔のすぐ上まで下がっている」をさらに詳しく説明しましょう。診断時は医師が正面から患者さんの目を見て、瞳孔の中心から上まぶたの縁までの距離を確認します。この距離が3.0ミリ前後なら正常値。1.5ミリ程度になっていると軽度眼瞼下垂と診断します。診察時は医師の目視だけではなく、眼瞼下垂を診断するためのおもりやクリップなどを用いることが多いです。

 軽度の場合ですと、手術は保険適用とはなりません。適用になるのは、距離がさらに長くなっている中等度か高度眼瞼下垂の場合となります。眼科医の目でしっかりと見て、さらには問診でどんな症状が出ているかを確認し、器具などを使い正確に診断する。その上で、その人に最適と思われる治療方法をお伝えしています。

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