「速歩き」は心臓の健康にとってプラスになる…発症と死亡リスク低下
また、本人に自覚がなくても、高血圧、高血糖、高コレステロール、肥満などの生活習慣病があったり、ちょっと無理をすると動悸がする、少し歩いただけで息が上がるなどの軽い症状があり、漠然と「心臓にトラブルがあるのかもしれないし、年のせいかもしれない……」と考えている人は、無理な速歩きは避けたほうがいいでしょう。
ちなみに、オレゴン州立大学が65歳以上の男女2340人の歩行スピードの計測を7年間にわたって追跡した研究では、高血圧の人が速歩きをすると、高血圧でない人と比較して死亡リスクが1.4倍高かったといいます。一方、高血圧でも歩行スピードが遅い(0.8メートル/秒)人は死亡リスクの上昇は見られませんでした。この知見からも高血圧を日常的にきちんと管理する重要性が分かります。
速歩きは、健康な人にとっては心臓病の発症リスクを下げ、異変があれば心臓病の早期発見につながるメリットがあります。一方、心臓トラブルや生活習慣病がある人には逆効果になる可能性があり、自分の限界点をきちんと見極める必要があります。ウオーキングが心臓の健康にプラスになるのは確かですから、最適な強度のウオーキングを心掛けましょう。