熊本地震で刑務所が避難所に 全国初ケースの生活ぶりは?
熊本の震災から間もなく1カ月。多くの被災者が避難生活を余儀なくされているが、熊本刑務所も施設の一部を避難所として開放している。それでは震災があったとき、刑務所や囚人たちはどうしていたのか。元広島拘置所総務部長で、関東大震災で被災した受刑者たちの知られざる逸話を描いた「典獄と934人のメロス」の著者、坂本敏夫氏に話を聞いた。
熊本刑務所があるのは、熊本市中央区。400人を収容し、その約半数が無期懲役で仮釈放の望みはほとんどナシという、重警備刑務所だ。
23日に現地入りし、熊本刑務所を取材した坂本氏は言う。
「囚人たちにとって地震ほど怖いものはありません。施錠されていて逃げ場がないからです。熊本地震があった当日、囚人たちは収容棟の雑居房などそれぞれの部屋にいました。本震、度重なる激しい揺れに悲鳴を上げる者もいたようですが、大きな混乱はなかったそうです」
今回、幸いにも熊本刑務所の建物には大きな被害はなく、受刑者たちは行刑区域内で通常通りの生活に戻っている。自発的に義援金も寄せられ始めているという。