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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

悠仁さまの東大合格は実現するのか? 視野に入れていると囁かれる「学校推薦型選抜」とは

公開日: 更新日:

 10日、東京大学の22年度入試の合格者が発表される。そこで早くも注目を集めているのが今春、筑波大学付属高校への進学を決めた秋篠宮家の長男悠仁さまの大学受験だ。

「秋篠宮家には受験業界を熟知した強力なブレーンがついているとしか思えない」と話すのは、大手予備校のベテランスタッフ。悠仁さまは東大を目指していると、巷ではまことしやかにささやかれているが、「ここまでの動きはその実現に向けた綿密な計算に基づいているように映る」という。そして、想定している第一候補は東大の推薦枠だと推察する。

 東大が2016年度からの推薦入試(現「学校推薦型選抜」)導入を発表したのは13年春。悠仁さまがお茶の水女子大学付属幼稚園から同小学校に上がる時である。

「幼稚園はお茶の水女子大付属でも、小学校からは学習院に来られると思われていましたが、そうではなかった。学習院大までエスカレーター式に上がっていくコースは歩ませないと、秋篠宮家は決めたのでしょう。今から思うと、この時点ですでに東大が視野に入っていたのかもしれません」(元宮内庁担当記者)

 前出の予備校スタッフが舌を巻くのは、中学・高校の選択の的確さだった。悠仁さまの中学の進学候補に挙がっていたと思われるのは、筑波大学付属(筑付)と渋谷教育学園渋谷(渋渋)の2校。国立の名門である筑付に違和感はないが、進学校としては新興勢力の渋渋の名前がクローズアップされたのは意外だった。17年秋、小学校5年生の悠仁さまが渋渋の文化祭に姿を見せたことから、急浮上した。

東大の推薦枠は全体で100人程度

 東大の推薦枠は全体で100人程度としているが、実際にはこれまでこの数字に達したことはない。悠仁さまが渋渋に訪れた時点で、同校は3人(16年度合格者77人中1人、17年度71人中2人)の推薦合格者を出していた。

「すでに実績を上げていたわけですが、秋篠宮家側の判断はそれだけではなかったと思います。同校の校訓は『自調自考』。生徒に徹底的に基礎学力をつけさせた上で、それがどう応用できるのかを理解させることに力を入れている。まさに東大が推薦で求めている人材に合致しています。悠仁さまの進路に関するブレーンがいるとしたら、そのあたりを評価したのではないかと思います」(前出の予備校スタッフ)

 16~22年度の東大推薦で渋渋が出した合格者数は計12人。これは全国でトップの数字だ。ちなみに、第2位は都立日比谷高校で11人だった。

 ただ、悠仁さまが渋渋に入学することはなく、中学はそのままお茶の水女子大付に進学。渋渋は完全中高一貫なので高校からの入学枠はなく、今回、候補のラインナップから外れた。一方、この4月から通う筑付も、渋渋ほどではないが東大推薦合格は計8人と結果を出している。

 推薦入学の手順は、高校から推薦を受け、東大に書類・資料を提出。そこでふるいにかけられ、大学側による面接試験。そして、大学入学共通テストを受ける。提出書類、面接、共通テストを総合評価して、合否が決まる。

■推薦型選抜の導入にかかわった東大教授は…

「基礎学力は重要ですが、東大が求めているのはそれだけではない」と話すのは、推薦入試の導入にかかわった東大教授の一人。

「何か突き抜けたものがほしい。ある分野で研究論文を発表しているとか、他の高校生にはない実績があれば、それは大きな評価につながります。悠仁さまがどうかという話にはお答えできかねますが…」

 幼い頃から昆虫の世界に興味があると伝えられる悠仁さま。父の秋篠宮さまは、学生時代からナマズ研究で大きな成果を残してきた。一般入試よりもハードルが高いといわれる東大推薦に、どう立ち向かっていくのか、より一層の注目が集まりそうだ。

(取材・文=田中幾太郎/ジャーナリスト・「名門校の真実」の著者)

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