安倍昭恵氏や国会議員がこぞって肩入れ…「不二阿祖山太神宮」のトンデモ歴史観
■国会議員71人を動員
これらの王朝とも神社とも関係ない教祖が、猿人の一種であるアウストラロピテクスの時代に存在した神社を再興したというのだ。この独特の歴史観は、明治時代に発見されたとされる古文書「宮下文書」を根拠にしている。歴史家の間では“偽書”として否定されているものだ。
不二阿祖山太神宮は14年から関連NPO法人の主催で「FUJISAN地球フェスタWA」なるイベントを年1回開催。富士王朝をテーマにしたシンポジウムなどを行い、「ムー」の編集長も登壇した。
15年、当時首相夫人だった昭恵氏がイベントの名誉顧問に就任。同年、71人もの現役国会議員が顧問などとして関わり、9つの中央官庁、19の自治体、8つの教育委員会、計36もの行政機関が後援として名を連ねた。地元メディアと毎日新聞社のような全国メディアを含め計7社が後援。コロナ禍の21年でも58人の国会議員を動員した。
17年にこの件を日刊ゲンダイがスクープ。すると昭恵氏の名が役員名簿から消え、現在、名誉顧問として最上位に掲載されているのは石破茂氏だ。