デジタル時代に「手帳」を使うメリットは? “老舗”の日本能率協会マネジメントセンターに聞いた
12月1日は「手帳の日」。手帳と言えば、真っ先に「能率手帳」が思い浮かぶ。この手帳、実は(社)日本能率協会のコンサルタントが使い、工場の生産性の向上に一役買ったもの。その後、会員向けに配っていたのだが、要望を受け、1951年に法人向け、58年に市販向けの販売を始めたのだという。
当時、「時間目盛り」が入った手帳は画期的。現在は同協会の事業部門である日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)から「NOLTY」のブランドで販売されている。
スマホでスケジュール管理をする時代、あえて紙の手帳を使うメリットはあるのだろうか?
■俯瞰性にも優れている
「手帳を使ったときのほうが、記憶が定着しやすく、脳活動においても言語処理や記憶処理、視覚をつかさどる領域などの活発な動きが観察されました(JMAM・NTTデータ経営研究所・東京大学大学院総合文化研究科で行った共同研究)。また、空間的な情報を関連付けて記憶することができるため、想起の際の手がかりが豊富で記憶の定着に有利。創造的な発想に対しても役立つと言えます。例えば、スマホなどのデジタルデバイスでは週や日単位での表示であったり、1カ月などを一画面で表示はできても入力したコメントは省略されることが多く、全て見ることができないことが多い。半面、手帳は記入内容全体が一目で分かり俯瞰(ふかん)性に優れているため、記憶が定着しやすいのではと考えられます」(JMAM担当者)