本当に救急車を呼ぶべき心臓と脳の症状とは…三重県松阪市は一部有料化で7700円を徴収へ
脳卒中で重要なのは頭痛のほかに…
頭の症状についてはどうか。頭の症状としては一般的なのは頭痛だが……。
「仕事中に頭痛になる場合、緊張して筋肉が収縮する緊張型頭痛や血管が拡張してズキズキする片頭痛などです。眼精疲労で頭の後ろが痛むこともあります。しかし、命に直結する脳卒中だと、重要なのは手足のマヒで、左右のどちらか一方に現れるのが特徴です。片側のマヒが一瞬でも生じたら、すぐに救急車を呼ぶべきでしょう」
脳卒中は血管が詰まる脳梗塞、脳の内部で出血する脳出血、脳の表面で出血するくも膜下出血に分かれる。初期の脳梗塞は血管の詰まりが一瞬で解消されることがあり、マヒも一瞬なことが少なくないのだ。脳梗塞には頭痛がほとんど見られないが、脳出血は頭痛を伴いやすいという。
「脳出血で生じた頭痛だと、仕事中の緊張型頭痛などとは違って、手足のマヒのほか、ろれつが回らない、視野が欠けるなどいろいろな部位のマヒも重なりやすいのが特徴です。くも膜下出血だとマヒはあまりなく、頭痛と吐き気が強い。それらが突然、生じるのです。いつもの頭痛とは明らかに違いますから、頭痛があってもなくても、マヒは救急車を呼ぶべき症状といえます」
支えがないと立っていられない、顔がゆがむといったときも、脳の異常が疑われる。すぐに119番だという。
腹部の症状については「突然」や「いつもと違う激痛」が救急車を呼ぶかどうかのサインのひとつで、それに吐き気や吐血、下血などが重なればすぐに救急車を呼んだほうがいい。
「それでも“痔主”は、『いつものこと』と軽くみることがありますが、原因が思い当たらないような突然の不調を軽視するのはよくありません」
自分や周りの人がいつもとは異なる症状に苦しみながらも、救急要請すべきか判断に迷うときは消防庁が相談窓口を設けている。携帯電話で♯7119をダイヤルすると、医師や看護師などが症状を聞き取り、救急車を呼ぶべきかを判断してくれる。消防庁によれば、実施しているのは全国24地域で、今後、拡大される見通しだ。