子育て支援「負担増1000円超え」は加藤鮎子大臣“テヘペロの乱”…岸田首相を背後からズブリ
岸田政権の看板政策である「異次元の少子化対策」をめぐり、加藤こども政策相が「異次元のポンコツぶり」を見せている。社会保険料に上乗せする「子ども・子育て支援金制度」の徴収額について、まともに答弁できていない。「(保険)加入者1人当たり月平均500円弱」と説明してきた岸田首相を背後から刺すような発言が物議をかもしている。
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政府は支援金制度について、2026年度に6000億円、27年度に8000億円、28年度に1兆円と段階的に引き上げて徴収する方針を掲げている。岸田は国会で、上乗せ徴収額が28年度は1人当たり月平均500円弱になると説明してきた。
ところが、である。日本総研の西沢和彦理事の試算によれば、支援金制度によって生じる負担額は労使合わせて、協会けんぽが月額1025円、組合健保が同1472円、共済組合が同1637円。21日の衆院予算委で立憲民主党の早稲田夕季議員が西沢理事の試算を引き合いに「(負担額は)500円より高くなるのでは」と追及すると、加藤は「可能性はある」と認めた。
その答弁に至るまで、加藤は終始オロオロ。手元の答弁資料に目を落としながら別の質問への答弁を読み上げてしまい、早稲田から「違う、違う」と突っ込まれて答弁不能に。再度、早稲田が同じ質問を繰り返したものの、加藤は答えられず、答弁整理のために小野寺予算委員長が速記のストップを指示。思わず「大丈夫かよぉ……」と嘆息する小野寺の声が委員長席のマイクに拾われていた。
翌22日の衆院予算委でも加藤のポンコツぶりが炸裂した。
立憲の石川香織議員が「国民負担が1000円を超える可能性はあるんじゃないか」と問いただすと、加藤は「可能性としては、あり得る」と発言。動揺したのか、別の大臣席に着席してしまい、苦笑いを浮かべながら正しい席に座りなおす一幕もあった。
一方、質問を終えた石川に対して「答弁が荒れちゃってゴメンね」と言わんばかりに満面の笑みを浮かべる場面も。悪びれた様子などみじんもないテヘペロぶりに、官邸は「これ以上ボロが出ないよう、加藤大臣に答弁させたくない」(官邸関係者)と慌てているという。