小林製薬「紅麹」サプリ摂取で死者…業績悪化、イメージダウン確実で損害賠償はどこまで広がる
同社が問題を把握したのは、今年1月。使用中止の公表まで2カ月以上を要したことに、消費者や取引先から情報提供の遅さを指摘する声が上がっている。今後、どう対応するのか。同社広報部に聞いた。
「紅麹を供給している52社から、さらに製品が市場に広がっている可能性があります。それがどれくらいなのかは把握できておりません。現時点ではまだ供給先に回収のお願いをしているところで、損害賠償請求の話には至っていませんが、会社としてはすでに、供給先からの損害賠償には応じることが決定しています」(担当者)
小林製薬は「『あったらいいな』をカタチにする」のCMがお馴染みのように、洗眼薬「アイボン」、水洗トイレ用洗浄剤「ブルーレット」、冷却ジェルシート「熱さまシート」など、それまでなかったアイデア商品を開発し、衛生日用品のニッチマーケットに次々と新製品を投入。一般庶民のニーズに応え、ヒット商品を生み出してきた。
「もともとは明治創業の同族企業の卸売り業者です。中興の祖といわれた小林一雅会長が『社内提案制度』を提唱し、職種に関係なく、社員全員に活躍の場を与えました。失敗は恥ではなく、従業員にチャレンジ精神を植え付けた、それで会社を急成長させたのです」(地元取引先業者)