ペットの療養食、サプリ、医薬品…横行するネット販売に思うこと

公開日: 更新日:

 動物病院の経営は、診療報酬のほか、療養食や動物用サプリメントの販売、特定動物用医薬品(ノミやダニの駆除剤など)の販売などで成り立っています。その一つが欠けると、影響は大きいのです。

「たかが療養食でしょう」とは言えません。一部の動物用医薬品までネット販売されているのが現実です。春から夏にかけてよく使われるノミやダニの駆除剤では、ネット販売がかなり広がっています。見過ごせないのは、メーカーがネット販売できるタイプとできないタイプを用意して、事実上、ネット販売を黙認している点です。

■目安の安さより大切なこと

 先ごろ、ヒトでは、紅麹を用いたサプリで死亡事故が起きました。市販薬メーカーとはいえ、東証プライムに上場する大企業です。処方薬メーカーでの事故も、世界的にゼロではありません。サプリや医薬品は、用量や用法をきちんと守って使わないと、場合によっては取り返しのつかないことになるのです。

 ネット販売では、果たしてその安全性が担保されているでしょうか。目先の安さを追求して、大事なワンちゃんやネコちゃんに“万が一”のことがあったら、“仕方ない”で済ませられるのでしょうか。

 かかりつけの獣医さんにワンちゃんやネコちゃんの安全を守ってもらうことを考えれば、ネット販売との価格差はそれほど高いものではないと思うのですが……。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ