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島村英紀武蔵野学院大学特任教授

武蔵野学院大学特任教授。1941年東京生。東大理学部卒。東大大学院終了。理学博士。東大助手、北海道大学教授、北海道大学地震火山研究観測センター長、国立極地研究所長などを歴任。専門は地球物理学(地震学)。『完全解説 日本の火山噴火』、『火山入門──日本誕生から破局噴火まで』、『直下型地震──どう備えるか』『地震と火山の基礎知識──生死を分ける60話』『日本人が知りたい巨大地震の疑問50』『新・地震をさぐる』など著書多数。

2022年の震度6強・福島沖地震では新幹線の「脱線事故」が発生…関係者が警鐘する“ロシアンルーレット”の打破

公開日: 更新日:

 おととし、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の福島県沖地震が発生し、最大震度6強の揺れを観測したことで東北新幹線が脱線事故を起こした。車体が揺れて車輪が浮いてレールを乗り越えたことで、脱線に至ったとする調査報告書を2年後の2024年3月の末に公表した。この事故では乗客6人がけがをしたほか、通常ダイヤに戻るまでに2カ月かかった。

新幹線の事故はこれだけではない。2004年の新潟県中越地震でも、走行中だった上越新幹線が脱線して傾いたことがある。この列車は長岡駅に停車するために減速中で、フルスピードではなかった。そこにいくつもの幸運が重なった。

 この新幹線が東北・上越新幹線の初代の「ボディーマウント構造」の車両だったために台車のギヤケースという部品と脱線した車輪がレールを挟み込んでくれたことも転覆をまぬがれた理由だった。

 そのほかに豪雪地帯にしかない排雪溝にはまり込んだまま滑走したこと、現場の線路がカーブしていなかったこと、高架であったためにレールのすぐ脇がコンクリートだったことなどだ。対向列車がなく正面衝突をしなかったのも幸いだった。

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