葛西臨海水族園改修問題「水辺の自然」エリア最後の日…記者が感じた自然へのリスペクト欠如

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「とても良い場所なだけに残念」

「水辺の自然」エリアを入り口から歩いていくと、東京23区にいるとは思えないような豊かな自然に出迎えられる。かつてはぬかるみが広がる埋め立て地だったが、木々の種類や配置を綿密に計画し、1990年の開園から長年かけて、現在の森がつくり上げられた。人工的につくられたとは思えないような穏やかな小川を大小さまざまな植物が覆い、多様な生き物が生息している。開発が進む以前の自然を再現しており、懐かしささえ覚える景観だ。

 さらに進むと、淡水魚がすむ水辺の環境を再現した「淡水生物館」が見えてくる。「池沼」と「渓流」にエリアが分かれており、どちらの水槽も自然の外部空間を背景にした半屋外のつくりになっている。館内からは池や川の断面が見られるようになっており、水面上の水の動きと、水面下で魚の泳ぐ様子が同時に眺められる。流れが速く浅い場所や、水がよどむ深い場所など、水中の生き物がさまざまな環境を使い分け生活している様子も丸わかりだ。臨場感あふれるこの水槽には次々と子供が集まり、顔を近づけ夢中で魚を眺める子もいれば、水の動きを手でなぞり、熱心にスマホで写真を撮る子供もいた。

 幼少期から訪れている40代の女性はこう振り返る。

「開園当初はもっと木々が痩せていてスカスカでしたが、ここまで育ったのは感慨深いです。派手さはありませんが、とても良い場所なだけに残念です」

 

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