高額な医療費が無駄になる! 「ネコ風邪」を症状だけで決めつける獣医師にご用心

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 残念ながら、お腹が動いていないことが主因ですから、ネコ風邪ではありません。薬はもちろんうまく飲めず、吸収されません。3万円ほどの医療費はムダです。

 18歳と高齢のネコちゃんでも同様のことがありました。お腹の動きが悪くなって便の停滞やガスの貯留がある一方、鼻水などの風邪っぽい症状も認められました。お腹の動きをよくする治療を継続しようとしたところ、休診日に食欲不振を心配された飼い主さんが別の病院を受診。同様に“ネコ風邪”と誤診されて、フルコースの検査を受けていました。そのときの医療費は5万円ほどですが、当然、抗生物質などの薬ではよくなりません。

 私から見ると、フルコースの検査は無理やり感が強いですが、その心理を裏読みすれば、検査のどこかに陽性反応が得られれば、それが“ネコ風邪”の治療と薬の処方を正当化する“根拠”なのかもしれません。

 厄介なことにコロナ禍を経た今、ヒトではPCR検査や抗原検査などが定着。すべての治療に厳密な“根拠”が必要とされています。それは悪いことではありませんが、こと意思疎通が難しいペットの診断と治療において“暴利”をむさぼることにつながるとしたら、決してよくはないでしょう。

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