地方自治体とたばこ税収(上)47都道府県 県庁所在地のたばこ税収一覧
人口との比較で注目されるのが新宿区と那覇市である。
新宿区は人口約35万人で税収は63億円。人口1人当たり1万8000円となる。那覇市は人口31万人で税収48億円だから、1人当たり1万5480円。税収が最大の大阪市の1人当たり額は1万1160円だから、この2区市の1人当たり税収がいかにとびぬけて多いかが一目瞭然だ。
新宿の場合、都庁やオフィス街、商業施設、ターミナル駅が集結し、昼間人口は79万4000人(2020年)といわれている。ここにインバウンドが加わり、喫煙者人口が多くなり税収増につながっているのだろう。那覇市の場合も、とりたてて喫煙率が高いわけでもなく国内外からの観光客の多さが影響しているのだろう。米兵ら基地関係者の市内でのたばこ購入状況も少しは関係しているかもしれない。
自治体にしてみれば「何もしなくても入ってくる貴重な財源」が、毎年確実に納められているのである。問題はその使途だが、一般会計のため明確なことは分からない。快適な分煙環境整備に充当すべき性格の税のはずだが、実態はまだほど遠い。 (つづく)