初出店から40年! ビジネスホテル「東横INN」がついに悲願の全国制覇へ
土地のオーナーにホテルを建ててもらい、それを丸ごと借り上げて自らは運営に特化する、というのが東横インの基本的なビジネスモデルだ。その方が早期大量出店が可能なうえ、資金調達や減損など資産価値下落のリスクを減らせる。ただ高知ではオーナーとなかなか折り合わず、最終契約に至らなかったようだ。
そうしているうちに襲ってきたのが新型コロナウイルス禍だ。行動制限に伴う企業の営業活動自粛などでビジネス需要は一気に蒸発。コロナ禍前の2019年3月期で907億円あった売上高は21年3月期には429億円へと半減超に。141億円の黒字だった営業損益は160億円の赤字に転落した。
そのコロナ禍がほぼ収束したことで今回「悲願」(関係者)だった高知進出にこぎつけたことになるが、需要が元に戻ったわけではない。23年3月期の売上高は807億円とコロナ前対比9割弱の水準。営業損益は5.71億円の黒字に過ぎない。何よりビジネスパーソンの働き方自体が一変した。
高知初進出が新たなフロンティア開拓へ向けた出発点になるのか。まだ見通せない。