GWに影落とす「物価高・円安」の深刻度 官製賃上げは効果なく、贅沢する余裕もなし
「賃上げと成長の好循環」には程遠い──。
調査会社「インテージ」が全国の15歳から79歳の男女を対象に調べたところ、今年のゴールデンウイーク(GW)の予算は平均2万7857円と昨年とほぼ変わらず横ばいだった。
今年の春闘では大手企業で満額回答が相次ぎ、平均賃上げ率5.28%(連合の中間集計)と、歴史的な伸び率に沸いている。しかし、だからといってGWに奮発するわけではないらしい。同社の広報担当者はこう話す。
「コロナが5類に移行したことに加え、賃上げなど経済的にも明るいニュースがあり、GW予算は増加するのではないかと想定していました。しかし、物価高や円安が大きく響いている。調査では、物価高や円安が『かなり影響する』『やや影響する』と回答した人が、全体の63.4%に及びました」
一方で、GW期間の国内旅行の平均予算額は8万1310円と、昨年と比べ約1万円増加した。コロナの制限がなくなり、せめて旅行くらいはお金を使う機運が高まっているのかと思いきや、必ずしもそうとは言い切れない。経済評論家の斎藤満氏はこう話す。