NYダウのバブル崩壊が迫っているのか? アメリカ長期金利が急上昇の不気味
いよいよ、バブル崩壊が近づいているのか。「もう危ないか」──と懸念されながら、歴史的な高値をつけているNYダウに黄信号がともりはじめている。アメリカの長期金利が急上昇しているのだ。
10日のNYダウは、前営業日比696.75ドル安の4万1938.45ドルで取引を終えた。「インフレ再燃」懸念から、長期金利が上昇したことが大きかったという。10日、アメリカの10年物国債の利回りは一時、4.79%に達し、2023年11月以来の高水準だった。ここまで金利が上昇すると、投資マネーは「株式」から「債券」にシフトする可能性が高くなる。
通常「リスク資産」である株式の利回りは、「安全資産」の債券よりも高くなる。ところが、10日時点のS&P500種株価指数の予想利回りは4.6%台と、10年債の利回り4.79%を下回った。経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「バブルと心配されるほどNY株が高騰しているのは、“好景気”と“金利の低下期待”という2つの好条件が重なったためです。昨年秋まで、『米FRBは2025年に4回利下げする』とみられていました。利下げが行われれば、当然、株価には追い風です。ところが、アメリカのインフレ圧力は予想以上に強く、昨年末『利下げは2回』と、利下げ回数予想は半減してしまった。しかも、その2回の利下げも実現するかどうか確実ではありません。昨年12月の雇用が、予想以上に強く、インフレ再燃の懸念が消えないからです。インフレ圧力が低下しない限り、利下げはできないでしょう。“利下げ期待”がしぼめば、当然、株価にはマイナスです」