春闘は大手の満額回答が相次ぐが…中小は業績低迷で格差拡大か?
NEC6.5%、日立製作所6.2%、第一生命とアサヒビール7%、大和ハウス10%、ゼンショー11.24%、富国生命8.6%、コスモHD6.7%、JFEスチール6.6%、味の素6%……。2025年大企業の春闘では、満額、それ以上の賃上げ回答が相次いでいる。
一方、労働組合の中央組織・連合も6日、2939組合の賃上げ要求で6.09%(平均)、組合員が300人未満の中小組合は6.57%といずれも前年を上回り1993年以来32年ぶりとなる高水準の要求を発表している。
昨年の春闘賃上げ率は、労働組合平均で5.1%、中小組合の4.45%に対し大企業は5.19%と格差を広げた。物価高と人手不足が深刻ななか、連合が要求する今年の数字に企業側が応える余力はあるのか。
連合の芳野友子会長は「中小企業の春闘にかける意気込みを感じた」と期待を述べるが、業績が好調な大手企業に比べ、中小企業は業績が低迷する業種が目立つ。1月28日付の本コーナーで既報したが、昨年の倒産企業1万6件のうち99%は中小企業なのだ。