マスク氏率いる政府効率化省への抵抗…暴力なきクーデターの恐怖、「言葉狩り」まで始まった
「ファシズムからアメリカを救うために来た」
なぜこのデモに参加したのかという質問に、開口一番そう答えたのはローレルさん。ニューヨークに住む40代の女性だ。
プレジデントデー(初代ワシントン大統領の誕生日)の休日だった今月17日(月)、全米50州で「Not My President(私の大統領ではない)」と銘打った抗議行動が同時開催された。主催は50501(フィフティ・フィフティ・ワン)という団体だ。その名前には、1つの目的のために50の州で50の抗議を同時に行うという意味が込められている。
ニューヨークには1万人が集まった。8年前の女性のマーチの動員40万人には遠く及ばないが、緊張感と危機感は比べものにならないほど強い。参加者の一人は「胃に穴が開きそうな気分だ」と訴えた。
その最大の理由は、イーロン・マスクの政府効率化省が猛スピードで進めている政府解体だ。20万人の解雇を目指し連日数千人が職を追われている。その中には航空管制官や核兵器、伝染病の専門家など重要な職も少なくない。また福祉や教育機関に対する助成金も凍結されている。