「ロシアの皇帝」プルシェンコ 保障された優雅な隠居生活

公開日: 更新日:

「こんな形で終わりたくなかった。本当に失望している」――。
「ロシアの皇帝」の異名を持つ男子フィギュアスケートのエフゲニー・プルシェンコ(31)が演技を披露することなくリンクを去った。

 ショートプログラム(SP)の演技直前の6分間練習でトリプルアクセル(3回転ジャンプ)の着氷が乱れると、腰に手を当てて苦悶の表情を見せた。昨年1月に手術を受けた腰痛が悪化して自ら審判に棄権を申し出た。

「ベストを尽くしたがダメだった。もう競技は終わりにしたい」と引退を表明したプルシェンコ。個人でのメダル獲得はならなかったが、今大会は皇帝としての面目は保った。

 昨年のロシア選手権では2位に終わりながら、自国でのメダル量産を狙うプーチン大統領の肝いりで代表入り。今大会の団体ではSP2位、フリー1位となり金メダル取りに貢献した。

 プルシェンコはすでにロシアのスポーツマスターの称号を与えられ、引退後は地元サンクトペテルブルク市の要職のイスが用意されているといわれる。今回の団体金メダルで報奨金400万ルーブル(約1240万円)を手にし、今後はアイスショーに出演するなど食いぶちには困らない。プルシェンコクラスなら1ステージあたりのギャラは300万円ともいわれ、世界中のショーに出演して大金を稼げるからだ。

 プルシェンコにはプロスケーターとしての優雅な暮らしが待っている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド