著者のコラム一覧
鈴木明子プロスケーター、振付師

 1985年3月28日、愛知県生まれ。6歳からスケートをはじめ、15歳で全日本選手権4位。東北福祉大に進学後、一時、摂食障害を患い休養。04年に復帰。10年バンクーバー五輪初出場。13年全日本選手権初優勝。14年ソチ五輪出場。14年3月の世界選手権を最後に現役引退。以後はプロスケーターとして活躍。15年には本郷理華のショートプラグラムで振付師としてデビューした。

<第17回>精神科医の言葉に目の前が真っ暗に

公開日: 更新日:

「このままではスケートどころか死んでしまうかも……」

 母と相談し、初めて地元の精神科で診断を受けることを決めました。これまでの生活環境や食生活など、さまざまな角度から診断していただいた結果は……想像通りでした。「摂食障害」。いわゆる拒食症の一種でした。改めて病名を言われなくても、うすうすは感じていましたが、実際に専門医から病名を告げられると、目の前が真っ暗になりました。

 病院で処方された薬は全部で6種類。向精神薬や血圧安定剤、栄養剤など、生まれて初めて口にするものばかりです。

「これを飲み続けてください。それでも体重が30キロを切るようになれば入院です。今から入院しても構いませんが……」

 医師の「入院」という一言で全身に衝撃が走りました。

 精神科での診察を受ける前から摂食障害の文献を読み漁っていた私は、拒食症の入院治療がどれほどのもので、どれくらいの時間がかかるのかを理解していました。長期化するであろう入院をしてしまったら、体重を増やし健康になることだけが目的になる。私はスケートに戻りたいという目標もありました。入院してしまったら二度とスケート界には戻れない。摂食障害の知識を身に付けていたからこそ、余計に悪い想像が膨れ上がりました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末