<第7回>白鵬らモンゴル人横綱の原点となった「公園飲み」…金欠と孤独が結束を強めた

公開日: 更新日:

 夜の公園に聞きなれない外国語が響く。ボソボソとか細い声もあれば、時折、談笑や大きな声も交じる。その合間に「プシュッ!」と、缶のプルタブを開ける音も聞こえてくる。

 浴衣姿でマゲを結っているから、彼らは力士だろう。しかし、その体形はお世辞にも立派とはいえず、身長が高いがためにことさら痩せて見えるのも中にはいた。

 ひとりが缶ビールをあおると、別の力士は紙コップについだウイスキーをチビチビとなめるようにして飲む。そしてため息をつきながら、短い言葉を漏らしていた。おそらくは「モンゴルに帰りたい」……。

 これは現在の光景ではない。モンゴル人力士が大勢来日した2000年前後、白鵬日馬富士鶴竜などが入門した当時の出来事だ。

 総武線両国駅から徒歩数分の場所にある両国公園。昼間は近隣の子供たちの声が絶えないこの公園は、当時、来日したばかりのモンゴル人力士たちにとっても憩いの場だった。

 後に横綱になる白鵬らもこの中にいた。彼らの多くはモンゴルから直接、相撲部屋に入門。日本の高校に留学していた朝青龍のような力士はほんの一握りで、そのほとんどは言葉すら通じない環境に苦しんでいた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  5. 5

    露呈された韓国芸能界の闇…“兵糧攻め”にあうNewJeansはアカウントを「mhdhh」に変更して徹底抗戦

  1. 6

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  2. 7

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  3. 8

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  4. 9

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  5. 10

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い