強肩の西武・森こそ「使って育てろ」 捕手“神格化”に疑問の声

公開日: 更新日:

捕手は「きちんと捕ってきちんと投げる」に尽きる


「優勝チームに名捕手あり」

 野村克也楽天元監督の持論である。「生涯一捕手」を自任しただけあって、「野球は投手が投げなければ始まらないが、その前に捕手がサインを出さなければ、投手は球を放れない」と野球における捕手の重要性を説くのだ。

 中でも捕手のリード、配球が試合結果を左右すると力説するが、果たしてそうなのか。野球評論家の権藤博氏は日刊ゲンダイのコラムでこう書いている。

「捕手で最も大事なものは何か。打てるに越したことはないが、打撃は二の次、三の次。これは読者にもうなずいてもらえるだろう。では、リード? いや、投手の立場からすると実はこれも、打撃と同じくらい優先順位は低い。じゃあ、一番は? それはもう、きちんと捕ってきちんと投げられること、これに尽きる」

 現在、パ・リーグのトップに立つ日本ハムは、正捕手がいない。昨季、チーム最多の105試合でマスクをかぶった大野が故障で不在。送球イップスで一度は捕手失格の烙印を押された近藤が代役を務めているのだが、日ハムは22日も西武を5-1で下して好調をキープしている。

 セ・リーグの首位争いを演じているヤクルト巨人中日も状況は似たようなものだ。一塁にコンバートしたはずの阿部を捕手に戻した巨人などは、その阿部が肉離れで離脱したが、この日の広島戦勝利で3連勝。「リードが悪い」「配球が甘い」と身内からも厳しい声が出る2年目の小林がマスクをかぶっても、エースの菅野が8回0封、10奪三振の好投をするのだから、「やっぱり野球は投手じゃないの」という気がするのだ。

 先の権藤氏はコーチ、監督時代を通して試合中のベンチから一球ごとに配球のサインを出していたと言い、「リードの未熟さや配球の稚拙さ、経験不足はそうやってベンチと一緒に戦うことで補える。その中で自分なりのスタイルを確立していけばいい。これが、経験を積むということだ」とも言っている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  2. 2

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  3. 3

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か

  4. 4

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 5

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  1. 6

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希の立場を左右する? サイ・ヤング賞左腕が復帰へいよいよ秒読み

  3. 8

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  4. 9

    なぜこのタイミング?巨人オコエ瑠偉、増田大輝だけが「実名報道」されたワケ…違法オンカジ騒動で書類送検

  5. 10

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  2. 2

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  3. 3

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  4. 4

    早期・希望退職の募集人員は前年の3倍に急増…人材不足というけれど、余剰人員の肩叩きが始まっている

  5. 5

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  1. 6

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か

  2. 7

    TBSのGP帯連ドラ「キャスター」永野芽郁と「イグナイト」三山凌輝に“同時スキャンダル”の余波

  3. 8

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから 

  4. 9

    永野芽郁&田中圭「終わりなき不倫騒動」で小栗旬社長の限界も露呈…自ら女性スキャンダルの過去

  5. 10

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ