<第22回>「野球部の試合には出ない方がいいです」

公開日: 更新日:
(C)日刊ゲンダイ

 大谷は一関シニアで名の売れた選手だった。

 通った水沢南中学校でも野球部に所属。腕に覚えのある中学生なら、学校でも少しくらいはいいところを見せたいと思うのが自然だ。親御さんも最近は、子供以上に「ウチの子を試合で使ってもらえないか」と監督に売り込むのが多いそうだ。

 監督にしてもシニアでもまれている選手を使った方が、チームが勝つ確率は上がる。実際、大谷も1、2年のころは野球部の練習試合に駆り出されたことがあったという。

 大谷が中2の秋、野球部の監督になった太田和成(38)はしかし、そうは考えなかった。

「中学の野球部では、中学の野球部で頑張っている生徒に活躍させたかったのです。大谷はシニアで活躍していたし、中途半端に試合に出るくらいなら、出ない方がいいと……」

 そう考えた太田はある日、大谷を呼んで、「おまえはもう、中学校の試合には出なくていいだろ?」と伝えた。

 すると本人は間髪を入れず、 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り666文字/全文1,086文字)

メルマガ会員
0円/月(税込)
今なら無料で日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事と競馬記事をそれぞれ3本試し読みできます!
オススメ!
プレミアム
2200円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事読み放題。最新の紙面をビューアーで閲覧可。競馬出走表も予想も全部読める。会員限定オンライン講座見放題。会員限定のプレゼントも。
スタンダード
780円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事が月50本まで読める。
新聞郵送セット割
3550円/月(税込)
プレミアムプランのサービスに加えて新聞も郵送で後日お手元へ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  5. 5

    露呈された韓国芸能界の闇…“兵糧攻め”にあうNewJeansはアカウントを「mhdhh」に変更して徹底抗戦

  1. 6

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  2. 7

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  3. 8

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  4. 9

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  5. 10

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い