錦織に優勝の可能性は? どこよりも早い全仏オープン大展望
しかし今年はそのナダルより、全仏に勝てば4大大会全制覇となるジョコビッチを優勝候補の筆頭に推す声が多い。前出の塚越氏もそのひとりだ。
「1月の全豪に勝ったジョコビッチは、3月のパリバとマイアミ、そして4月のモンテカルロというマスターズ1000(優勝者は1000ポイント獲得する大会)に3連勝した。ジョコの守りは強固で、ナダルより攻撃も多彩です。昨年の全米OPではベースラインより下がった受け身のテニスで錦織に負けた。そのためATPファイナルでは最初から攻めて錦織に完勝している。今年もラインの中に入って、攻撃的なテニスを見せているのが印象的です。3日からのマドリードOPは欠場が発表された。全仏へ向けての調整のためでしょう。万全の状態ならナダルを倒して全仏を取れると思う」
では、錦織に勝ち目はまったくないのか。
「90年にゴメス(エクアドル)、04年にガウディオ(アルゼンチン)が勝ったように、クレーの全仏は大穴をあける選手も出てくる。しかも錦織はラリー戦が得意です。とはいえ、相手のミスを待っているだけでは勝てません。サーブをうまく散らし、ショットに角度をつけ、積極的に前へ出てドロップショットやボレーなどで勝機を見いだすべきです」(塚越氏)