メリットないのになぜ? カージナルス「ハッキング」真の狙い
■コンピューターより双眼鏡
今回の事件を機に球団間でハッキング戦争のようなことが起きているのでは? と懸念する声があるが、その可能性は極めて低い。チームが勝つ上で最も有効なのは、相手チームのサインを盗むことだ。それにはコンピューターより双眼鏡の方が役に立つ。
■ハッキング第1号
最初に球団間のハッキング事件が問題になったのは89年のこと。当時ヤンキースに在籍していたパイレーツの前GMシド・スリフトと元パイレーツ職員ジム・ボーデンが、古巣のソフトウエアを使って他球団の情報を盗み取っている疑惑が浮上。ヤ軍は2人を解雇しMLBに告発したが、1カ月の調査の後、証拠不十分で無罪になった。これでボーデンは評価が下がるどころか急上昇し、3年後の92年に31歳の若さでレッズのGMに就任している。
(スポーツライター・友成那智)