大阪国際Vでリオ確実も…福士加代子を待つ本番レースの壁
実はその頃は福士も「ギリギリ」の状態で、「25キロではペースメーカーがいるのと、いないのとでは違う。1人では休んじゃおうと思っちゃう」とレース後は本音を漏らした。
苦しいところを30キロまでペースメーカーに引っ張られたのが、国内女子選手の「壁」といわれている2時間22分30秒切りにつながったわけだ。陸上ジャーナリストの菅原勲氏は、「彼女の潜在能力からすれば2時間20分台は出せたレースです」といって、こう続ける。
「序盤からペースメーカーが1キロ3分20秒前後の速いペースをつくってくれたにせよ、30キロぐらいまではいい走りでした。30キロからペースメーカーがいなくなるとややペースダウンし、35キロぐらいから3分30秒前後まで落ちたのが残念です。25キロぐらいから独走態勢に入っただけに、もの足りないというのが正直なところです」
■国内レースとはまったくの別物
レース前の公約通り、「2時間22分30秒を切っての優勝」を実現させた福士には、もう一つの「お約束」がある。「リオでは金メダルを掴みにいく」と明言している。この日の走りを見れば希望をもつスポーツファンもいるかもしれないが、ペースメーカーのいない五輪のマラソンは、国内レースとはまったく違うものだ。