乱闘で報復は当たり前 メジャー選手はなぜ血気が多いのか

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 そこへいくと日本のプロ野球はおとなしい。せいぜい当事者同士が睨み合う程度。日本人同士の暴力に発展したのは89年、死球を食らった清原(当時西武)が投手の平沼(当時ロッテ)にバットを投げ、体当たりをしたのが最後だろう。

 なぜ、メジャーの選手たちはケガもいとわずに殴り合うのか。アメリカ野球愛好会副代表の鈴村裕輔氏がこう言う。

「本人たちは意識していなくても、『最後は男同士、殴り合って決着をつけよう』という文化が米国や中南米にはありますからね。そもそも、メジャーでは報復は不文律のルールでもある。仲間がやられたら、その仕返しをしないことには『アイツはメジャーの流儀を何も知らないんだ』と周囲に思われ、監督に干されてしまうこともある。自分が直接やられた時もそうです。生存権を脅かされたことへの報復をとがめる者は、メジャーにはいませんから」

 メジャーは非常に格差の大きな社会。昨季の平均年俸は約4億8000万円だが、同じベンチ内にいても、上は数十億円から下は最低保障の約6000万円まで。40人枠から外れてマイナーに落ちれば、3Aですら月給数十万円。それ以下ならさらに安く、なおかつ劣悪な環境が待っている。「生存権」を脅かされようものなら、それこそ黙っちゃいられない。殴りたくなる気持ちも分かるというものだ。

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