プロ野球から消えた乱闘劇 荒くれ助っ人「絶滅」のなぜ?
阪神の新大砲・ロサリオは、昨年まで在籍した韓国プロ野球で、2年連続3割、30本塁打、100打点以上をマーク。練習では連日快音を響かせ、実戦でも本塁打を連発。金本監督は先月28日のキャンプ打ち上げの際「4番はロサリオでいくと思う」と明言。「頭のいい打者で、工夫もできるし、パワーもある。ひとつ大きな軸ができた」と褒めて、キャンプのMVPにも指名した。
ライバル球団はロサリオの打撃には警戒感を強めているが、捕手出身ということで、一塁守備にはやや難がある。そこで、キャンプ中は、高代作戦兼総合コーチにグラウンドや室内練習場でのノックを直訴。チーム内では「とても真面目な選手」と性格面の評価も上々だ。
2005年にミセリ(4月解雇)とキャプラー(7月契約解除)という2人の不良助っ人や、11年の試合中に無断で引き揚げたライアルらに懲りた巨人も、近年の外国人補強は性格面を重視。背中にぶつけた中日・宮下の顔面に右ストレートを見舞ったクロマティのような荒っぽい選手はまず取らないが、巨人に限らず今は「実績が十分な外国人選手なら性格は問わない」という球団は皆無といえる。だから「プロ野球の華」のひとつといわれる大乱闘劇はめっきり減った。