スポーツ心理学者も指摘 日大アメフト部の卑劣“洗脳指導”

公開日: 更新日:

 宮川選手の陳述書と説明によれば、問題のプレーがあった5月6日の1週間ほど前から突然、練習への参加を禁じられた。その間、内田前監督から決まっていた日本代表への招集を辞退するよう強要され、コーチから「やる気が足りない。闘志が足りない」となじられ、「坊主にしてこい」と強制されるなどさまざまなストレスを与えられた。思い詰めていたところへ、コーチから「監督が、相手のQBを1プレー目でつぶせば(試合に)出してやる、と言っている」と囁かれたのは試合の前日。そして当日、「やらなきゃ意味ないよ」との監督の言葉、「わかってるな」とのコーチの言葉に押し出されて立ったフィールドで、彼は蛮行に至った。

「一時代前の典型的なトップダウン、上意下達のこうしたやり方を今も平然と行っていたことに驚きを禁じ得ません。現在では、指導者は選手の目線まで下り、双方向のコミュニケーションが取れた上で指導、アドバイスをするのが当たり前。恐怖政治的な方法が短期的には結果を出すこともあるが、ちょっと歯車が狂えば今回のような重大な問題を誘発する。いずれにしろ、なぜ日大の指導者がこうした20世紀型の方法論を取っていたのか、その背景も含めて内田前監督の口から真実をつまびらかにしてもらいたい」(児玉氏)

 闇は深そうだ。

【連載】日大アメフト部 悪質タックル事件の闇

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が