抑え崩壊で接戦恐怖症 巨人最後の手段は「守護神・菅野」
これが「最後の手」のはずだった。巨人の抑え投手の話である。
当初、勝ちパターンだったマシソン、カミネロ、沢村が相次いで離脱し、救援陣が火の車。今季の1点差試合は9勝23敗とひど過ぎる勝率である。
そこで高橋由伸監督(43)は8日に山口俊(31)を先発から抑えに配置転向した。が、リリーフした2試合で失点。12日は初めてセーブ機会の1点差で九回のマウンドに上がったものの、ストライクが入らなくなり3四死球。手痛い救援失敗に村田ヘッド兼バッテリーコーチは「踏ん張ってもらいたかった」と苦言を呈していた。
山口俊が次の登板もピリッとしないようなら、守護神交代の可能性が出てきた。巨人は14日現在3位。4位の阪神とは1・5ゲーム差で、CS出場圏内を死守するため、何度も失敗に目をつぶれるほど余裕はない。残り13試合。ピシャリと九回を締められる投手はいないのか――。
「もう菅野(智之=28)しかいませんよ。15日の予告先発となっているが、(14日現在)12勝7敗。リーグトップの大瀬良は15勝で3勝差がある。最多勝は絶望的な状況ながら、169奪三振はトップ。狙って三振が取れる数少ない投手です。百戦錬磨で最終回の重圧に耐えうるメンタル面も持ち合わせている。あと1、2回の先発を経て臨時守護神に転向する可能性があります。巨人は試合の消化が早く、来週から日程が緩やかになり、先発の枚数を減らすことができる。三軍戦で復帰しているヤングマンがペナントの最終盤に間に合いそうなこともあり、エースに一肌脱いでもらおうという算段です」(球界関係者)
14日はDeNAに2点差で敗れ借金6。そうはいっても、リードして九回を迎えない限り、守護神の出番はないのだが……。