コーチはイエスマンばかり…原監督が全権握る巨人の行く末
現場だけではなく、フロントの体制もそうだ。退任した鹿取GMの後任を置かず、球団代表も不在。これは事実上のGMや代表、つまり編成トップが原監督であることを意味するものだ。
さらには、去る11日付で岡崎スカウト部長が異動。12日付で後任のスカウト部長には長谷川査定室長が兼務となって就任した。長谷川スカウト部長は敏腕で名を馳せるが、東海大相模高から東海大を経てプロ入りした、原監督の息のかかった直系の後輩でもある。
これで25日に迫ったドラフト戦略も思いのまま。実際、現段階の1位最有力は、今夏の話題をさらった吉田(金足農)ではなく、原監督の強い意向で「二刀流」根尾(大阪桐蔭)に変更されている。
■原政権の歴史は「衝突の歴史」
原政権の歴史は球団との衝突の歴史でもある。
2次政権では当時の清武球団代表とぶつかり、「清武の乱」といわれる前代未聞の内紛を引き起こした。
「その清武の乱は2011年にヘッドコーチにOBの江川を招聘しようとした当時の渡辺球団会長に対し、すでに同ポストに岡崎コーチの留任を内定させていた清武代表が反発したのが発端。しかし、江川案のアイデアは原監督が出したもの。この頃『補強』の原監督と『育成』の清武さんの意見が合わず、対立が表面化していた。清武さんが向けた怒りの矛先は、渡辺会長というより原監督だったのです」(チーム関係者)