星稜林監督に聞く ドラ1候補奥川“全試合先発完投”指令の意
「(球数に関して)全く気にしないわけではないですし、彼を壊したらいけないと人一倍思っています。そのためにコーチと相談しながらケガをしない体と、いわゆるきれいで無駄のないフォームをつくってきた。普段から体の変調には敏感になりますし、無理に投げさせることもない。練習試合では球数にも気を使っています。肘が痛いのに投げ続けて壊れた投手がいますが、それはあまりにも酷だと私も思う」
――昨秋の神宮大会、札幌大谷との決勝では奥川を先発させずに敗れた。七回からのリリーフ起用に、なぜもっと早く使わなかったのかという声もあったと聞く。結果を求められる立場でもある。
「ただ、試合中、ベンチで何度も奥川との間で状態を確認していた。『行けるか?』と尋ねると、『もうちょっとです』と言う。肩ができるまでは使えません。もともと(右腕に)軽いハリがあり、先発はできても完投はできないと見ていた。野手としてスタメン出場し、なかなかブルペンに行けないという事情も重なっていました」
――今回は優勝候補に挙げられる。奥川というプロ注目の逸材を壊すわけにはいかないが、初の全国制覇を実現するにはエースの負担増は避けられない。そのバランスをどう取るのか。