甲子園の元スターに聞く 佐々木の決勝登板回避をどう見た

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「納得していれば…」

「こればかりは……本人とチームメートが納得していれば、いいんじゃないですかね」

 と話すのは、楽天松井裕樹(23)だ。

 桐光学園(神奈川)2年時、12年の夏の大会では初戦の今治西戦(愛媛)で大会記録となる10者連続奪三振と1試合22奪三振をマークした。

「周囲で応援してくれている人がいるのも、もちろんわかりますが……。佐々木は登板を直訴したんですか?」(松井)

 今のところ、そうした話は聞かれない。しかし、国保監督は決勝戦当日、「佐々木を先発させない」ことこそ部員に通達したものの、「佐々木を試合に出さない」ことは誰にも伝えていなかったという。

 松井は複雑そうな表情で、こう話した。

「じゃあ、選手は納得していなかったんですか? うーん……あまり周りがとやかく言うことじゃないんですけど、佐々木が今後、活躍するようになればいいですね。多分、ファンも(今回の件で一層)佐々木を応援するでしょうからね」

 とはいえ、佐々木が中学時代から夢見た甲子園で、高橋も松井も貴重な経験、かけがえのない思い出を手にしている。

 高橋は「一番の思い出? 優勝したことですよ」と笑顔。

「甲子園出場が決まったときはうれしかったし、ワクワクもあった。緊張したのは初戦の岩国商(山口)戦くらい。決勝戦も含めて、楽しんでやれた」と話す。

 松井の顔も自然とほころんだ。

「甲子園に行ったら練習は1日2時間しかできない。かといって(関西は)知らない町だから、外出も禁止されていた。だから、宿舎でチームメートと(ゲームの)マリオカートをしていました。宿舎の向かいのビルの屋上に温泉があって、無料券をもらって入りにも行きました。やっぱり高校生でしたからね。ちょっとした修学旅行気分で楽しかったですよ」

 将来、佐々木が「僕がいまあるのは、登板回避のおかげ」と言える日がくればいいが……。 

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