中日には松坂がまだまだ必要 私がGMなら迷うことなく残す
野手もそうだ。チームが苦しんだ8月までの打撃データを見ると、チーム打率はリーグトップにもかかわらず、総得点はワースト2位。本拠地が広く、本塁打が出にくいというハンディを差し引いても、打率と得点力の乖離が顕著だ。ヒットが続いて好機こそつくるものの、ここぞというときにあと1本が出ない。投手と同じく、チャンスで自分で自分にプレッシャーをかけてしまうのだ。
だからこそ、中日の選手はまだまだ松坂に学ぶべきことが多い。現時点で今季の松坂の最後の一軍登板である7月27日のDeNA戦。初回に8点を奪われ、1死を取っただけでKOされた。あの日の投球を見ていて、私は「さすがだな」と感心した。
今季2度目の登板で、前回は5回2失点で勝ち負けつかず。初勝利が欲しい試合で、大胆に打者の内角を攻める投球を試みた。結果的にこれが裏目に出て大量失点につながってしまったものの、日米で幾度の修羅場をくぐり抜けてきた松坂の経験は、今の中日には貴重で必要だ。
今季の年俸は8000万円。これを1000万円以下にしたっていいじゃないか。その分、出来高をつけてやって、チャンスを与える。私がGMならそうする。