朝乃山“必殺の右四つ”で年間最多勝 大関昇進への死角は?
角界で「最も大関に近い男」と呼ばれている。
24日、横綱白鵬の優勝で幕を閉じた大相撲11月場所。今場所、目覚ましい活躍をしたのが朝乃山(25)だ。
千秋楽のこの日は正代に敗れたものの、11勝4敗。今年は6場所で55勝35敗。自身初となる年間最多勝を手にし、技能賞も受賞した。
「評価してもらってうれしい。(2ケタ勝利は)次への自信になる」
と話した朝乃山。大関も狙えるというインタビュアーの“誘導尋問”には、苦笑いしながら「はい、頑張ります」と答えた。
大関の昇進基準は直前の三役で3場所33勝以上。先場所も10勝だが、当時は平幕。来場所、星数をクリアした上で優勝すればともかく、今場所が大関とりの起点になるだろう。
とはいえ、同じく大関の地位を狙っていた御嶽海は今場所6勝9敗と散々。朝乃山にその心配はないか。
ある親方は「安定感が違いますよ」と、こう続ける。
「御嶽海は、その日の体調や調子が相撲内容に大きく影響する押し相撲。一方、朝乃山は爆発力には欠けるが、安定感のある四つ相撲です。特に右四つに関しては、角界でもナンバーワン。3日目に対戦した白鵬も正面から当たるのを嫌がり、立ち合いで張ってから右にずれた。組みさえすれば、朝乃山の右に出る力士はいない」