15日皆勤は貴景勝のみ 虚弱大関をのさばらせる“大甘制度”
まさに大相撲の空洞化である。
上位力士が次々に離脱した11月場所。初日に横綱鶴竜が腰を痛めて、いきなり休場すると、大関豪栄道も同日の取組で左足首靱帯を負傷し、2日目に休場届を出した。さらに、5日目は関脇栃ノ心、8日目は大関高安もケガで休場した。
まさに看板倒れ、チケットを半額にしてもいいくらいの上位陣の体たらく。中でも近年目立つのが、大関陣の不甲斐なさだ。豪栄道は来年1月場所で歴代3位となる9度目のカド番。千代大海(現九重親方)の最多記録14回を抜く可能性も十分にある。
ここ最近は「大関特例」も乱発されている。大関は陥落した翌場所のみ、10勝以上で元の地位に復帰できるという制度がある。今場所がカド番だった高安は、来年1月場所で関脇への転落が決定。この特例で復帰を目指すが、「またか」と思ったファンも多いのではないか。
■一度つかめば…
大関特例ができたのは1969年7月場所。以降、条件をクリアした力士は半世紀で6人7例(栃東が2度)しかない。それが今年だけで栃ノ心、貴景勝の2人。さらに高安もそのチャンスがあるなど、特例の大盤振る舞いである。