白鵬初黒星で悔しさ露わ…“ヒジ頼り”アダで自滅し金星献上
あっけなく土俵下に吹き飛ばされた。
17日、全勝の横綱白鵬(35)が平幕の阿武咲(23)に敗れ、金星献上となった。
立ち合いで繰り出した右エルボーは相手の顔面に当てるはずが、胸元に当たって“空振り”。はたいてしのごうとするも逆に呼び込んでしまい、最後は押し出されて土俵下に転落。はずみで審判の九重親方(元大関千代大海)が突き飛ばされ、後ろにひっくり返るハプニングもあった。
白鵬は「負け残り」で土俵下に座ると苦虫を噛み潰したような表情。優勝街道まっしぐらと思ったところで足をすくわれ、悔しさがにじみ出ていた。
ある親方は「ヒジに頼りすぎたことによる自滅です」と、こう続ける。
「年齢を考えても、15日間戦うためには、なるべく体力の消耗を避けたい。できれば、組まずに勝ちたい。そのための武器がかち上げなんですが、あまりに安易すぎた。おそらく、『上体を起こして仕留めよう』という気持ちが強すぎたんでしょう。踏み込む前からヒジを当てにいったために自分の体が伸び切ってしまった。阿武咲の鋭い踏み込みでヒジの目測も狂わされたのも大きい。はたきを連発したのは、相手をふところに入れたくないため。すべてが裏目に出たということです。ヒジなんかに頼らず、普通に取っていれば軍配は逆だったと思いますよ」