柔道・レスリングの五輪メダルを邪魔する“食べ放題”の誘惑
お家芸種目の東京五輪代表が正式に決まった。
全日本柔道連盟(全柔連)は、東京五輪延期前に選出していた男女13階級(男子66キロ級を除く)の代表を引き続き維持すると発表。すでに全18階級のうち8階級を選んでいたレスリングと合わせて、メダル量産を期待される格闘技の代表選手が内定した。
全柔連の金野潤強化委員長は「内定選手はしっかり意識を持って、厳しい状況の中で己を鍛えてくれている」と期待を寄せるも、柔道もレスリングも茨の道が待っている。
お家芸種目は対戦相手よりも、まずは自分との戦いを強いられるからだ。
両競技とも体重によって決まる階級別で争われるため、大半の選手は大会前に過酷な減量が義務付けられる。中量級以上になると、2~3カ月前から減量に着手し、10キロ以上も落とすケースは珍しくない。計量当日に汗をかいたり、尿を出してグラム単位で絞って体重検査をパスする選手はザラだ。
日本に限ったことではないが、多くのアスリートは満足に練習ができず、今は自宅で個人トレに励んでいるのが現状だ。練習再開どころか、依然として国内外での大会開催の見通しすら立たないため、選手たちは目先の目標を見失っている状況でもある。本格的な稽古やスパーリングはできず、個人練習では体重管理もままならない。