坂本と大城はどこで感染?巨人コロナ「微陽性」6つの疑問
■結局2人は、いつ、どこで感染したのか?
「巨人の説明では、坂本も大城も夜の外出はもちろん、外食すらしていなかった。それが本当なら改めて、感染の怖さを感じます」
あるセ球団の選手がこう言った。
坂本と大城2選手、スタッフ2人のコロナ感染は、巨人が独自で行った抗体検査を契機に判明した。すでに抗体ができており、4日、再検査の結果が陰性となったことから、感染してから時間が経過していた可能性は高い。では、2人はいつ、どこで感染したのか。
巨人の説明では直近2週間の行動は、坂本が5月29日に友人と昼食をとり、大城が同28日夜に同僚2人と夕食をした以外は外出をしていなかったという。球界OBが言う。
「2人は活動自粛期間中は自主練習を行い、5月11日から東京ドームで練習を継続していた。外食時の感染でないなら、スタッフから感染したか、自宅と球場を往復する過程で感染した可能性が高いだろう。自己管理を徹底し、いくら球場内や施設内で対策をしても防ぎようがない。不安と恐怖に駆られ、定期的にPCR検査を受けたいという選手が続出しています」
■聞き慣れない「微陽性」って何なのか?
坂本と大城の感染を、巨人は「微陽性」という言葉を使って説明した。症状はなく、回復を示すIgG抗体も確認されているだけに、「軽症」を強調したいがためだと思われるが、新潟大学大学院医歯学総合研究科の特任教授・田中純太医師は、「微陽性という言葉は普通は使いません」と言ってこう続ける。
「陽性と陰性の間のギリギリの数値で判断が難しいという時に、『±』という形で報告されることがあります。今回の巨人のケースでは、再び行ったPCR検査で陰性だったことから、“治癒していたがウイルスの断片(活動性ではないもの)が体に残っていた状態”だと思われます」
とはいえ、「微陽性」だろうが「無症状」だろうが、2人がコロナウイルスに感染した事実に変わりはない。
「感染経路や期間も不明なので、いつ頃に感染力を持っていたのかの特定は難しい。知らないうちにウイルスを拡散させてしまうことも、新型コロナウイルスの恐ろしさのひとつです」(田中医師)
「微陽性」がミスリードを招く可能性があるということだ。
■抗体検査で陽性が出たのに練習試合に出ていいのか?
坂本らは5月末に抗体検査を受け、6月1日に陽性反応が出た。専門医の助言で2日の西武戦後にPCR検査を受けたが、その日の試合には坂本も大城も先発出場していた。
「抗体検査に陽性ということは感染歴があるということです。現時点でも感染が続いている場合がある。無症状で発症時期が分からない今回のような場合は、要注意期間を2週間ほど設けて自宅待機にするか、今回のようにPCR検査をするかです。PCR検査を受ける時点で“COVID―19疑”なので、結果が判明するまでは待機が望ましいです」(田中医師)
感染予防を考えれば試合出場の判断は甘かったということになる。