横綱白鵬に漂う余裕 焦る若手を尻目に淡々マイペース調整
全国の緊急事態宣言が解除され、各親方の判断で接触をともなう稽古を再開している大相撲。そんな中、悠然とマイペース調整をしているのが横綱白鵬(35)だ。
本人は「申し合いやぶつかり稽古は7月に入ってから」と話し、今も基礎稽古に終始している。
白鵬はトシもトシ。もともと相撲を取る稽古は本場所が近くなってから行うタイプだ。7月場所は19日が初日。近年はケガも多く、今から必死にやったら体が持たないという事情もあるのだろう。
しかし、ある一門外の親方は「それでも、だよ」と、こう続ける。
「先々月から約2カ月も相撲を取る稽古ができなかった。力士の本音は『一刻も早く相撲を取りたい』だからね。すでに3週間も前から申し合いをしている部屋もある。それだけ実戦稽古に飢えている。白鵬からはそうした焦りはまったく感じられない。焦っても仕方がない? 理屈の上ではそうだけど、そんな簡単に割り切れないのが人情ってもの。よほど自分に自信がなければ、今はなかなか冷静ではいられないよ」
かつての白鵬は血のにじむような猛稽古で鳴らした。直近の3月場所で優勝したように、その当時の稽古の貯金が今の白鵬を支えている。焦る大勢の力士たちを尻目に、横綱は淡々と汗を流している。