オリが初の6連敗…パ同一球団6連戦に現場の悲鳴と怨嗟の声
ビジターはホテル暮らしで負担倍増
長い遠征も選手を苦しめる。もっかソフトバンクとオリックスが2週続けてビジターでのホテル暮らしを余儀なくされている。
来週からは西武が2週間の遠征だ。長期のロード自体は珍しくないものの、シーズン中にこうも頻繁にあるのはまれ。そこにコロナ禍が加わり、負担は倍増しているという。
あるパ球団のトレーナーは「故障を抱えている選手のケアが大変です」と、こう続ける。
「例年なら、早めに球場入りして治療やケアに充てる時間が取れたが、今季はコロナ禍の影響でそれができない。3密を防ぐため、球場入りできるのはナイターでも午後3時ごろ。球場入り前に何とかしようとしても、ホテルでは限界がありますからね」
今季は開幕前の実戦がわずか2週間しかなかった。調整に不安を抱える選手を複数抱える球団は、起用に慎重にならざるを得ない。感染リスクを減らすために極力移動を減らす策が、結果として体調管理に充てる時間を削っていることになる。
■飲みにも行けずストレス解消できず
気分転換をしにくいことも、選手にとっては痛手だ。
パの中堅どころのある選手は、「昨季までなら、そこまで飲み歩くことはしなかったんですが……」と、心情を吐露する。
「ビジター3連戦って、意外と飲みに出る機会が少ないんですよ。火~木のナイター3連戦は試合の終わる時間が遅いし、選手によっては早めに球場入りしたい。週末だと金曜日のナイターの翌日がデーゲームですからね。どっちも3日目は帰り支度や移動があるので、外に出る時間が取れない。それが今季は当面、球場入りできるのが3時。仮にナイターが早めに終わって夜10時にホテルに戻れれば、時間はタップリある。なのに飲みにも行けないので、逆にストレス解消が難しい。部屋でゲームとか、それくらいしかすることがないですよ。『暇だから寝てたけど、寝すぎて体調がおかしい』なんて苦笑いの選手もいますよ。同じホテルで同じ相手の1週間はしんどい。中には『きょうは何戦目だっけ?』と感覚がマヒしているヤツもいます」
パの6連戦に関しては現場から怨嗟の声が上がっている。「しょせん野球を知らないお偉いさんが作った日程」なんて恨み節も聞こえてくる。
ある球団フロントは「6連戦は事前に現場への相談があったわけではない。全部決まったあとで『同一球団6連戦だけどできるよね』とNPBから通達があった。すでに決定事項なので、そこで『無理です』と言っても覆らないのはわかっている」と、愚痴をこぼす。
パの6球団は今後しばらく、相手チームに加えて初の同一カード6連戦という日程とも戦うことになる。