2試合12四死球と大荒れ それでも大谷の制球心配なしの根拠
エンゼルスの大谷翔平(26)が荒れている。
2試合に登板した紅白戦で打者計25人に対して、12四死球。なにしろ、トミー・ジョン手術を経て今季が2年ぶりの投手復帰となるだけに、その後遺症を含めて周囲が気を揉むのも分からないのではない。7四球を与えた8日の紅白戦が、実に674日ぶりとなる実戦登板。いくらブルペンで投球練習をしてきたとはいえ、打者がいる実戦形式のマウンドはまったく別物だ。意識をしなくても余計な力は入るし、抑えが利かずに、抜けたり、引っかけたり、は仕方がないだろう。そう心配することはないと思う。
■「キャッチボールが一番大事」
もうひとつ、これなら大丈夫、と思う根拠が、5四死球を与えた14日の紅白戦後の本人のコメントにある。スポーツ紙の報道によれば、24日に迎える開幕までの投球フォーム修正に関して、「一番大事なのはキャッチボール。キャッチボールでフィーリングを確かめる」と言ったことだ。
これは、私の持論でもある。プロでもキャッチボールをおろそかにする投手が実は少なくない。日本ではいまだに、「コントロールをつけるには、とにかく投げ込みをすること」という、バカな理論がまかり通っている。そんなことをして、いたずらに肩や肘を消耗するよりは、キャッチボールでフォームのバランス、リリースポイントを確認した方が、はるかに意味がある。例えば、新しい変化球を覚えるのも、ブルペンで額に汗して必死に球数を重ねるより、キャッチボールのときに遊び感覚で試した方が身につくものだ。制球力にしても変化球にしても、微妙な感覚を得ようとする際、無駄な力は邪魔になる。大谷にもヤンキースの田中将大、巨人の菅野あたりにも、そうアドバイスしたことがある。