フェンシング全日本“投げ銭”たったの4500円…唯一の秘策は
マイナースポーツが資金繰りに必死だ。
各競技団体は、コロナ禍による大会中止が相次ぎ、スポンサー収入が激減。選手の強化費捻出もままならない団体が少なくない。
日本では注目度の低いフェンシングも例外ではなく、17日に開幕した全日本選手権(東京・駒沢体育館)では、インターネットを使ったライブ配信を実施。視聴者が観戦しながら、お気に入りの選手を個別に支援する「投げ銭」システムを導入した。大会事務局の発表によれば、初日(17日)のおひねりは、わずか4500円。当日は女子エペ、男子サーブルの準決勝まで行い、レベルの高い好試合が展開されながら、寂しいスタートとなった。
今回の投げ銭は、2017年に日本協会の会長に就任して以来、競技人口やファンの拡大に取り組む太田雄貴会長(34)による発案。活動資金の不足にあえぐ選手救済を目的としたものだが、今のフェンシング界に集客や投げ銭を期待できる選手は皆無。ロンドン五輪団体銀の三宅諒(29)が、企業とのスポンサー支援をストップし、配送のアルバイトで資金を稼いだことが話題になったほどだ。
日本のフェンシング界で唯一、集客が見込めるのは現役時代、北京(フルーレ個人)、ロンドン(同団体)の2大会連続銀メダルを獲得した太田会長しかいない。
多くの投げ銭を期待するなら、太田会長が現役復帰してサーベルを握るしかなさそうだ。