レスリング協会副会長が降格…団体を牛耳る役員“不正の根”

公開日: 更新日:

 ある団体幹部は自身が経営する会社を競技団体と随意契約させ、競技で使用する用具や運搬用トラックなどを団体の経費で購入。スポーツ界でもコンプライアンス順守が求められる中、トップによる利益相反取引が平然と行われているのだ。

 補助金などの不正受給も枚挙にいとまがない。選手、役員が不祥事を起こした団体はJSCなどからの助成金の減額、支給停止などの罰則が科される。資金力に乏しい団体では、運営資金を補助金に頼らざるを得ないため、不祥事を闇に葬るのも珍しくないそうだ。冬季競技の団体では、海外合宿中に殴り合いのケンカをした選手が骨折などのケガを負ったが、日本オリンピック委員会(JОC)には「練習中の負傷」と虚偽の報告をして、補助金の減額を免れたことも。

 海外遠征や合宿を私的な旅行に悪用するケースもある。指導者ではない団体幹部が、帯同を名目にして合宿地である常夏の島で豪遊しているのは有名な話だ。

「団体幹部による不正が一向になくならないのは任用に問題があるからです。多くの団体では依然として現役時代の五輪や世界選手権での実績にこだわり、メダリストをトップに据える傾向がある。規模が小さい団体ほど、メダリストが引退後に権力を握るケースが少なくありません。トップに組織をまとめる指導力や適性などが備わっていないため、不正が横行するのです」(スポーツライター)

 各競技団体は役員の見直しに着手した方が良さそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

  2. 2

    ドジャース地区V逸なら大谷が“戦犯”扱いに…「50-50」達成の裏で気になるデータ

  3. 3

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  4. 4

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  1. 6

    やす子の激走で「24時間テレビ」は“大成功”のはずが…若い視聴者からソッポで日テレ大慌て

  2. 7

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  3. 8

    堂本剛、松本潤、中山優馬…そして「HiHi Jets」髙橋優斗の退所でファンが迎えるジャニーズの終焉

  4. 9

    「光る君へ」一条天皇→「無能の鷹」ひ弱見え男子…塩野瑛久は柄本佑を超える“色っぽい男”になれる逸材

  5. 10

    虎の主砲・大山を巡り巨人阪神“場外乱闘”に突入か…メジャー挑戦濃厚な岡本の去就がカギを握る