総合格闘技が五輪種目を目指す 不人気競技団体は戦々恐々
東京五輪の開催を巡って混乱が続くIОC(国際オリンピック委員会)と組織委員会を尻目に、新興競技団体が動き始めた。
世界的な人気を誇る米国の総合格闘技団体UFCが、2028年ロサンゼルス五輪での正式種目採用を目指すというのだ。
日本時間4日、UFCライト級チャンピオンのハビブ・ヌルマゴメドフ(32=ロシア)が滞在先のウズベキスタンで会見。今年10月に引退を表明した同選手は「今後は五輪での総合格闘技実施に向けて尽力する」と話し、バッハ会長をはじめとするIOC委員に積極的なロビー活動を展開すると明かした。
UFCを筆頭に総合格闘技は今や世界的な人気を誇るビッグイベントだ。約150の国・地域で放映され、米国内だけでも視聴者は毎回100万人以上を記録。世界的な普及、若者への人気など、IОCが正式種目採用の基準に合致した競技のひとつといえるだろう。
今後、UFCの普及、拡大に尽力するヌルマゴメドフは「総合格闘技を五輪で実施すれば、テレビ視聴率はサッカーや陸上などの人気競技に肩を並べるだろう。IОCにも少なからぬ利益をもたらす」と断言。現在、五輪の正式種目には柔道、レスリング、ボクシング、テコンドー、空手などがあるが「五輪のコンタクトスポーツは改革が必要だ」(ヌルマゴメドフ)と、強気な姿勢を崩さない。