日本ゴルフ界にもはびこる「ジェンダーギャップ」の数々
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、不適切発言によって世界中から非難され、辞任に追い込まれた。
これは、わが国で「ジェンダーギャップ」(男女格差)がよく理解されていない根深い問題点といえる。何しろ日本のジェンダーギャップ指数は、世界153カ国中121位の“後進国”なのだ。
もちろんゴルフ界も例外ではない。
記憶に新しいところでは2013年に東京五輪ゴルフ競技会場に霞ケ関カンツリー倶楽部(埼玉)が決まっていたことだ。
同CCの正会員は男性だけで、女性は認められていなかった。明らかな男女差別である。
そもそもオリンピック憲章には、人種や性別などいかなる種類の差別も禁止する条項がある。女性を差別する霞ケ関CCは五輪会場にふさわしくない、と大紛糾した。
その後、“外圧”に屈する形で女性を正会員に受け入れたが、実際は不満がくすぶっているようだ。1929年創立と長い歴史を誇る同CCメンバーには政財界の大物がズラリと顔を並べる。森前会長は2017年の年始の挨拶で、「輸送を計画通りにできるのかどうか」を問題視したが、正会員をめぐる女性差別は一顧だにしなかった。