メジャー監督の再就職事情…最多は他球団のベンチコーチ
日本のプロ野球では監督が大きな存在である。成績不振で辞任してもその後は球団幹部として処遇されたり、解説者になって安定した収入を得ているケースが多い。
しかし、メジャーリーグではかなり様子が異なる。クビになった監督の身の振り方として最も多いのは他球団のベンチコーチになるケースだ。現在30人いるメジャーリーグのベンチコーチの3割(9人)は監督経験者である。ベンチコーチは、①監督の右腕となってメンバー表の作成やゲームプランの立案にかかわる②相手チームに関するさまざまなデータを分析して詳細を監督に伝える③自軍の選手の好不調を把握して監督に伝える、といったことが主な役目。仕事の内容は監督に近く、監督経験がある方が有利になる。
最近は実績のある監督経験者がMLB以外で指揮官を務めるケースも多くなった。ひとつは韓国リーグの監督になるケースだ。元日本ハム監督のトレイ・ヒルマンは、米国にUターンしてロイヤルズの監督を3年務めた後、2017年に韓国の仁川を本拠地とするSKワイバーンズ(現在のSSGランダース)の監督に就任。2年目の18年に韓国シリーズを制して、日本シリーズ、韓国シリーズの両方を制した初のマネジャーになった。ナショナルズ元監督のマット・ウィリアムズは14年にナ・リーグの最優秀監督に選出されたが、退任後は古巣ダイヤモンドバックスのベンチコーチを経て、現在は韓国の光州を本拠地とする起亜タイガースで指揮を執っている。