羽生結弦「跳べないと一生満足できない」4回転半への執念
見据える先は金メダルの向こう側だ。
フィギュアスケート男子の羽生結弦(26)。先月28日に閉幕した世界選手権でまさかの3位に終わると、悔しさを口にすることなく前を向いた。
「早く4回転半(ジャンプ=クワッドアクセル=4A)を練習して、誰よりも早く4回転半を公式戦で決める人間になりたい」
世界選手権開幕前には、こうまで言ってる。
「アクセル(4A)を跳べないと一生満足できない。最終目標はオリンピックの金メダルではなく、あくまで4回転半を成功させるのが一番の目標です」
羽生には2022年北京大会で五輪3連覇の偉業が期待されるが、そんな勲章よりも上だと断言する4回転半への挑戦欲。本人によれば練習でのトライ数は「1000回を超えていると思う」というから、もはや執念に近い。北京五輪での金メダルを考えれば、4回転半への固執はマイナスになるかもしれない。
現に、先の世界選手権で頂点に立った最大のライバルであるネイサン・チェン(21=米国)は、4回転半に消極的。米国誌のインタビューで「採点システムを考えたとき、トリプルアクセルより凄い価値のあるものではない。集中して取り組むべきものではないと考えています」と同じ土俵に乗らない考えを示している。